撮影日:2009年2月1日
第二次世界大戦の末期に建造された船で、輸送船として使用されました。
鉄鋼が不足したおかげでコンクリートによって作成する事を思いついたとの事。
瀬戸内海が主な航行場所との事ですが、時には南方に行ったとの事です。
それにしても、コンクリートの建造物が海に浮かんでいたとは。
日本人の実行力には驚かされます。
当のコンクリート船ですが。
安浦の港に防波堤が無く、台風のたびに漁船が被害を受けていた事から、漁業関係者が県に陳情。
武智丸を堤防として使用する事となりました。
堤防については、昭和40年代に建て直しの話が出て、武智丸を撤去すると言う話が出ました。
しかし、まだまだ使用に耐えると言うことで今日まで現役で堤防の役目を果たしています。
昨今。コンクリートの劣化が取りざたされていますが、JR在来線の橋脚やこのコンクリート船な
ど、昔のコンクリートはどういうわけか長持ちするようです。
AE剤もなく、水分調整をすれば場合によっては低流動になるコンクリートでよくここまでの物を
作成した物と思います。
広島県の中では結構重要な土木遺産だと思うのですが。